花粉症と針灸治療1

いよいよ花粉症に悩む季節が間近に迫ってきました。花粉症の発症率は年々増加し、今や国民の5人に1人の割合といいます。あきらかに国民病となってしまったのです。諸外国も同様、環境整備のととのった北欧でさえ、この花粉症には手をやいています。但し、抗原となる花粉は杉ではなく柳だそうです。いずれにしろ、この手のアレルギー疾患は世界的問題となっているのです。そして、この問題が根深いのは、確実な予防法や治療法がないという現実があるからです。ことに免疫に関係する疾患は薬の効かせ方がとてもむずかしいのです。 

免疫は外敵から身体を守る必要不可欠な機構です。もし、この力がなければ、人類はとっくの昔に死に絶えていたでしょう。自然界には細菌、ウィルス、寄生虫等、数え上げたらきりがないほどの人類の生存をおびやかす病原体が多いし、不幸にして侵入されてしまった時、免疫、言いかえれば自然治癒能力がなければ、元の健康体に回復することは不可能だからです。花粉症はこの重要な免疫力が過剰になった状態です。ですから花粉症をおさえようとすると、免疫力もおとしてしまう場合もあります。

花粉症は治ったけれど、免疫の低下による重篤な感染症、あるいはガンといった命にかかわる病気になってしまったという本末転倒な結果も考えられるのです。例えば、エイズの免疫不全からの日和見感染やカポシ肉腫を連想するとよいでしょう。したがって、薬も作用の強いものは投与できませんし、個々により、免疫力の強弱は異なりますので、サジ加減も大きな課題となるでしょう。当然無難な薬で無難な用量となります。結局は大して効果がみられないといった頼りなさです。病院ではマスト細胞から放出されるヒスタミンが神経、血管、分泌腺などにある受容体と結びつかないようにする抗ヒスタミン剤と、花粉(抗原)とIgE抗体が過剰に反応することを抑制し、マスト細胞からヒスタミンを放出させないようにする抗アレルギー剤が頻繁に処方されます。又、鼻粘膜が肥厚してしまった重症型にはステロイド剤も使用されます。いずれの薬剤も、眠気、だるさ、肝障害等の副作用はつきものです。又、ステロイド剤の連用は、カビの繁殖を促したり、副腎の機能障害をおこしたりと更に深刻な状態におちいることもたびたびです。花粉症の治療に関しては、満足できないばかりか副作用との戦いをしいられ、患者にとっては踏んだり蹴ったりといった現状です。

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